電話代行とCS代行は、競合するサービスではありません。担当する範囲が違います。 電話代行は電話を受けて用件を通知するところまで、CS代行は問い合わせに回答するところまでを担当します(調査時点: 2026年8月)。
要点は次の3つです。
- 電話代行は「取る手間」を消す: 電話に出て用件を聞き、チャットやメールで通知する。回答は依頼した側が行う。
- CS代行は「答える手間」を引き取る: 問い合わせの内容を理解し、回答を作成して送信するところまで担当する。
- 選ぶ基準は、何に時間を取られているか: 電話が鳴って作業が止まるのが問題なら電話代行、同じ質問に何度も答えるのが問題ならCS代行。
以下で、それぞれが実際に何をするのか、料金の考え方、判断の順番を整理します。
電話代行が実際にやっていること
電話代行サービスは、自社の代表電話にかかってきた電話をオペレーターが受け、用件を聞き取り、その内容をテキストで通知します。
代表的なサービスである fondesk を例に取ると、通知先は Slack・Chatwork・Microsoft Teams・LINE・Google Chat・LINE WORKS・メールの7つから選べます(fondesk、調査時点: 2026年8月)。
重要なのは、オペレーターは用件を聞いて伝えるところまでで、回答はしないという点です。fondesk は「相手や内容に応じて特定の案内をする、通話を転送する等のカスタマイズはできません」と明記しています(fondesk)。
これは制約ではなく、そういう設計のサービスだということです。誰から何の用件で電話があったかが分かれば、あとは自社の都合のいいタイミングで折り返せばよい。電話に出るために作業を中断する必要がなくなる、という価値の作り方をしています。
受付時間は9時から19時の間で自由に設定でき、夜間・早朝・休日は対象外です(fondesk)。
AIが電話に出るサービスとの関係
近年は、人ではなくAIが電話を受けるサービスもあります。IVRy の場合、AIが用件を聞き取って自動で記録し、内容に応じて担当者へ転送したり、文字起こしと要約を Slack やメールへ通知したりします(IVRy、調査時点: 2026年8月)。
人が受けるかAIが受けるかは大きな違いに見えますが、担当している範囲で見ると、電話代行と同じ側です。どちらも「受けて、記録して、伝える」ところまでを担当し、回答の中身を作るところまでは踏み込みません。
つまり、電話まわりの選択肢は「人が受けるか、AIが受けるか」ではなく、**「受けるところまでを外に出すか、答えるところまで外に出すか」**という軸で並んでいます。
CS代行が担当する範囲
CS代行(カスタマーサポート代行)は、問い合わせの内容を理解したうえで、回答を作成して送信するところまでを担当します。
具体的には、メール・チャット・問い合わせフォームに届いた質問に対して、FAQやマニュアルに基づいて回答を書き、送る。判断が必要な案件だけ依頼元にエスカレーションする、という分担です。
電話代行との違いを表にすると次のようになります。
| 項目 | 電話代行 / AI電話 | CS代行 |
|---|---|---|
| 担当範囲 | 受けて、用件を記録し、通知する | 内容を理解し、回答を作成して送る |
| 回答を作るのは | 依頼した側 | 代行側(判断が必要な案件のみ差し戻し) |
| 主なチャネル | 電話 | メール・チャット・フォーム(電話は要相談) |
| 導入の重さ | 軽い(転送設定と通知先の指定が中心) | 重い(FAQ・回答方針の共有が必要) |
| 解決する問題 | 電話で作業が中断する | 同じ質問への回答に時間を取られる |
料金の比べ方
料金は、担当範囲が違うので単純な高い・安いでは比較できません。それぞれの目安は次のとおりです(調査時点: 2026年8月)。
- 電話代行: fondesk は月額10,000円(税抜)で50件まで含まれ、51件目からは1件200円。14日間の無料お試しがある(fondesk)。
- AI電話: IVRy は0円から使えるフリープランを用意している(IVRy)。
- CS代行: テキスト中心の従量課金で1件100円前後、電話を含むと1件300〜1,000円程度(PRONIアイミツ)。別途、オペレーターの教育とマニュアル整備のための初期費用が20〜50万円程度かかるのが一般的(PRONIアイミツ)。
電話代行が安く見えるのは、回答を作る工数が料金に含まれていないからです。1件200円で用件を受け取ったあと、その回答を考えて折り返す時間は自社に残ります。逆にCS代行の初期費用が高いのは、代行側が自社の代わりに回答できるようになるための準備(FAQ整備・回答方針のすり合わせ)が必要だからです。
比べるときは、料金だけでなく**「この金額で、自社の作業は何分減るのか」**を見てください。費用相場の全体像はカスタマーサポート代行の費用相場で件数帯別に整理しています。
どちらを選ぶかの判断
次の順番で考えると決めやすくなります。
1. 何に時間を取られているかを分ける。 「電話が鳴って作業が止まる」のと「同じ質問に何度も答える」のは別の問題です。前者なら電話代行、後者ならCS代行が対応する領域です。
2. 問い合わせが電話に偏っている理由を確認する。 電話しか窓口がないから電話が来ているのか、内容的に電話でないと済まないのか。前者であれば、フォームやチャットの窓口を用意して問い合わせをテキストへ寄せるほうが、外注する前に効きます。テキストは記録が文章で残るため、あとから代行にも任せやすくなります。
3. 回答が文章で書けるかを確認する。 よくある質問の回答をドキュメントに書き出せるなら、CS代行に任せられる範囲は広くなります。書き出せないなら、まず自社でFAQを整備するところからです。この整備は、電話代行を使う場合でも折り返しの時間短縮に効きます。
4. 両方使う選択肢も残す。 電話は電話代行で一次受けし、テキストの問い合わせはCS代行に回答まで任せる、という組み合わせは矛盾しません。担当範囲が重ならないためです。
電話をテキストへ寄せる進め方はメールのみ対応OKのCS代行(ノンボイス)、問い合わせ件数そのものを減らす方法は問い合わせが増えすぎて対応できない時の対処で扱っています。
ゼンナゲCSの位置づけ
当社が自社開発・自社運用しているCS運用代行「ゼンナゲCS」は、上の表でいうCS代行側にあたります。メール・問い合わせフォーム・LINE公式アカウント・サイトチャットに届いた問い合わせを引き取り、AIが返信ドラフトを生成し、専門オペレーターがレビュー・承認してから送信する枠組みで運用しています。AIが単独で顧客へ返信することはありません。
これら以外のチャネルも、ご利用中のツールに合わせて個別に接続します。電話対応は、ご要望・要件に応じて個別にご相談ください。
料金は問い合わせ件数・チャネル・対応時間帯に応じて個別にお見積もりします。ゼンナゲCSのサービス内容をご確認のうえ、お問い合わせください。
まとめ
電話代行とCS代行は、どちらが優れているかではなく、担当する範囲が違います。電話代行(fondesk型)とAI電話(IVRy型)は「受けて、記録して、伝える」まで。CS代行は「内容を理解して、回答して終わらせる」まで。電話代行の料金に回答工数が含まれていないぶん、月額は安く見えます。
決め方はシンプルで、電話が鳴って作業が止まるのが問題なら電話代行、同じ質問への回答に時間を取られているのがボトルネックならCS代行です。両方が問題なら、両方を別々に外に出すこともできます(本記事の料金・仕様は調査時点: 2026年8月)。