うちの会社は、社員が一人です。僕だけです。それでも、ゼロからビジネスとプロダクトを作り、会社を前に進めることができています。これは、AIなしには到底ここまで来られませんでした。

この記事は、note連載『AIと会社を作っている男』の第1回を、弊社ブログ向けに再構成したものです。この連載が何を目指すのか、僕がどんな会社をやっているのか、そしてこれから何を書いていくのかを、最初にまとめてお伝えします。

この連載で何をしたいのか

世の中には、AI活用を語る情報がすでに溢れています。新しいモデルが出るたびに解説が並び、「これからはこう変わる」という話がたくさん出てきます。便利なプロンプト集も、華々しい成功事例も、探せばいくらでも見つかります。

それでも、足りないと感じているものがあります。実際に一人で会社を背負いながら、毎日AIと並走している人間のリアルな記録です。

ただのAIに詳しい人としてではなく、実際にビジネスを行う唯一の代表として、何を任せ、何を握り、どこで助けられ、どこで失敗したのか。整理されたあとのノウハウではなく、「AIで会社が回る」という話を、抽象論ではなく、一つの会社の具体例として積み上げていく。それが、この連載でやりたいことです。

AIは僕たちの想像以上のスピードで進歩しており、より早く身につけるほど、複利的にその恩恵を受けられます。この記録が、あらゆるビジネスパーソンのAIの使い方に、少しでもいい影響を与えられればと思っています。

僕がやっている会社について

株式会社wren(レンと読みます)は、2026年1月9日に創業しました。1月というと、Claude CodeやClaude CoworkをはじめとしたAIエージェントが一般にも認知され始める、その少し前ぐらいの時期です。一介のエンジニアだった僕が、AIを全力で使い倒したことで、一人でも法人としてビジネスをできています。

主力事業はCS Copilot.aiです。企業のCS(カスタマーサポート)担当の工数を一人以下にする、というコンセプトのAI SaaSで、自動でナレッジが溜まっていき、使うほど手放しで良くなっていくというものです。

僕の経歴について

前職はサイバーエージェントでエンジニアをしていました。なかでもD2Cブランドに携わり、お客様対応からデジタルマーケティング領域、社内の業務フローのAI化まで、幅広く手がけてきました。業務を通じて新規プロダクトを作ることが何度もあり、次第に「自分で作って売ってみたい」という気持ちが強くなって、独立を決めました。

社員は僕一人です。もちろん、ずっと一人でやっていくつもりはなく、適切なタイミングでレバレッジを効かせられる仲間は欲しいと思っています。とはいえ、まだ人を雇えるフェーズではないので、普通の会社なら何人かで分担する仕事が、すべて僕に集まってきます。営業も、プロダクト開発も、顧客対応も、経理やバックオフィスも、こうした発信も、全部です。本来なら回りきらない量です。

それでも回っているのは、その大半をAIと分担しているからです。業務で使うツールが提供するMCP Serverを網羅的にAIエージェントと接続することで、僕が行う作業を圧縮しています。もちろんAIは完璧ではありません。AIは7割から8割ぐらいの完成度のものを即時でアウトプットするのが得意だと言われますが、まさにその通りで、任せきれない領域もあります。けれど、完璧である必要はありません。たどり着けなかったであろう情報の提供や、実行の代替によって、一人では到底持てなかったはずの会社を、いま現に持てています。

この「一人+AI」という構成そのものが、この連載の主題であり、僕が日々実験している対象でもあります。

これから何を書いていくのか

この連載では、大きく四つの領域を行き来しながら書いていきます。

一つ目はAI活用です。実際にどの業務を、どのツールで、どこまで任せているのか。うまくいった使い方も、期待外れだった使い方も、具体的に共有します。プロンプトや運用の工夫など、そのまま持ち帰れる実用的な話もここに入ります。

二つ目はエンジニアリングです。一人でプロダクトを開発・運用するうえで、AIをどう組み込んでいるか。設計や実装の進め方、コードレビューや品質の担保、つまずいた技術的な問題など、作る現場の話を書きます。

三つ目は会社経営です。一人会社をどう成り立たせているか。何を任せ、何を自分で決めるのか。AI時代に人間に残る仕事は何か。経営判断の裏側にある考え方を、エッセイとして残していきます。

四つ目はAIトレンドです。新しいモデルや動向のうち、現場で実際に試して意味があったものを、当事者の視点で取り上げます。流行を追うためではなく、自分の会社にどう効くかという観点で書きます。

そして、この連載を通じて三つのことをお約束します。整ったノウハウよりも、生の現場を書くこと。うまくいった話だけでなく、失敗も隠さず書くこと。そして、毎週続けること。続かない連載に価値はないと考えているので、まずは出し続けることを、自分との約束にします。

締め

AIと会社を作るとは、実際にどういうことなのか。

その問いに、抽象論ではなく、一つの会社の具体的な記録でお答えしていきます。整ったノウハウではなく、生の現場を、これから毎週書いていきます。


本連載はnoteでも公開しています。最新回はこちらから読めます → note『AIと会社を作っている男』