カスタマーサポートを外注する費用は、月額固定型で月10〜50万円、従量課金型でメール・チャット1件100円〜・電話込み1件300〜1,000円、初期費用20〜50万円が目安です(調査時点: 2026年7月)。

ただし「外注は高いのか安いのか」は、この外注費用だけを見ても判断できません。比べる相手は自社で対応する場合の内製の総コストであり、内製には求人票の月給に表れない費用(採用費・教育期間の先行人件費・シフト管理の工数・離職リスク)が乗るからです。この記事では、外注費用と内製コストを項目ごとに分解して並べ、どの条件なら外注が総コストで有利になるかを判断できるように整理します。

外注の費用相場そのものを料金体系ごとに詳しく知りたい場合は、カスタマーサポート代行の費用相場を先にご覧ください。本記事は「外注 vs 内製」の比較に絞ります。

外注費用のレンジ(何にいくらかかるか)

まず外注側の費用です。料金体系は「月額固定型」と「従量課金型」に分かれ、加えて初期費用がかかります(調査時点: 2026年7月)。

  • 月額固定型: メール・チャット中心で月10〜30万円前後、電話を含むと月15〜50万円前後(Tayoriアスピック)。件数が読める、または多い場合に1件あたり単価が下がりやすい形式です。
  • 従量課金型: メール・チャットで1件100円〜、電話を含むと1件300〜1,000円程度(TayoriPRONIアイミツ)。件数が少ない・変動が大きい場合にコストを抑えやすい形式です。
  • 初期費用: 20〜50万円程度。オペレーターの教育とマニュアル整備の費用で、自社仕様の品質を作り込むほど増えます(PRONIアイミツアスピック)。

外注費用の特徴は、これらがほぼ変動費として扱える点です。件数が減れば従量課金なら支払いも減り、繁忙期だけプランを上げる調整もできます。採用や退職に伴う固定的な負担は委託先が抱えるため、自社は「使った分+固定の委託費」で済みます。

内製コストは月給だけではない

次に内製側です。ここが比較の肝になります。内製で自社にオペレーターを置く場合、月々の人件費のほかに、求人票や給与明細には表れない費用が先行して、あるいは継続して発生します。

  • 採用費: 求人広告や人材紹介の手数料。人材紹介経由なら理論年収の30〜35%程度が相場とされ、採用のたびに発生します。
  • 教育期間の先行人件費: 採用してすぐ戦力になるわけではなく、対応品質が安定するまで一般に1〜3か月かかります。その間の給与と、教える側(既存社員)の工数が先行コストとして乗ります。
  • 人件費(継続): 月給に加え、社会保険料の会社負担(給与のおよそ15%前後)がかかります。求人票の月給だけで見積もると、実際の負担を低く見誤ります。
  • シフト・労務管理の工数: 勤怠、シフト調整、評価、マネジメント。件数が直接生まないが継続してかかる工数です。
  • 属人化・離職のリスク: 担当者が1〜2人に集中すると、退職・休職の際に対応ノウハウごと失われ、採用と教育をやり直すことになります。この再発コストは見積もりに入れ忘れやすい項目です。

例えばCSオペレーターを正社員1人(月給25万円と仮定)で内製する場合、社会保険料の会社負担を加えると月およそ29万円。これに採用費(1回あたり数十万円)と、戦力化まで1〜3か月の先行人件費が加わります。つまり「月29万円」は内製コストの下限であって、実際の総コストはこれを上回るのが通常です。

外注 vs 内製:項目ごとのコスト比較

同じ「月300件・テキスト中心・営業時間内」の対応を、外注した場合と内製した場合でコスト項目を並べると次のようになります(調査時点: 2026年7月、金額は目安)。

コスト項目外注内製
月々の直接費月10〜30万円前後(件数・チャネルで変動)人件費 月29万円〜(月給+社会保険料)
採用費不要求人・人材紹介の手数料(採用のたびに発生)
立ち上げ・教育初期費用20〜50万円(一度きり)戦力化まで1〜3か月の先行人件費+教える側の工数
管理工数委託先が担うシフト・勤怠・労務・マネジメントの工数
繁閑・増減への対応プラン変更・従量で調整追加採用・残業で対応(調整に時間がかかる)
属人化・離職リスク委託先の体制で吸収退職・休職時に品質低下、再採用・再教育が発生

月々の直接費だけを並べると外注と内製は近く見えますが、内製には採用費・先行人件費・管理工数・離職リスクが加わります。この「表に出にくい費用」を含めて初めて、両者を同じ土俵で比べられます。

どの条件なら外注が総コストで有利か

外注が総コストで有利になりやすいのは、内製の弱点(固定費であること、増減に弱いこと、属人化しやすいこと)が効く条件です。

  • 件数の変動が大きい: 繁忙期と閑散期の差が大きいと、内製は繁忙期に合わせて人を抱える必要があり、閑散期は人件費が余ります。外注なら従量課金やプラン変更で調整でき、変動費として扱えます。
  • 夜間・休日・24時間の対応が必要: 時間帯を広げるほど内製はシフトのための人員が増え、単価も上がります。外注は体制を持つ委託先に任せられます。
  • 担当が1〜2人に集中している: 属人化した状態で担当者が抜けると、対応が止まり再採用・再教育のコストがかかります。外注は複数体制で吸収されるため、この再発コストを避けられます。
  • 立ち上げ期で件数が読めない: 1人を採用・教育する固定費を先に抱えるより、従量課金や軽量プランで小さく始めるほうが、採用のリスクを負わずに済みます。

逆に、件数が少なく安定していて、営業時間内で足り、担当者が複数いて属人化していないなら、内製のほうが総コストを抑えられることもあります。外注ありきではなく、自社の件数・時間帯・体制の3点を内製コストに当てはめて判断してください。

外注する場合の品質担保(ゼンナゲCSの例)

外注でコストを下げても、対応品質が落ちては意味がありません。参考として、当社が自社運用するCS運用代行「ゼンナゲCS」の仕組みと料金を挙げます。ゼンナゲCSは、**AIが返信ドラフトを生成し、専門オペレーターが必ずレビュー・承認してから送信する(human-in-the-loop)**枠組みで問い合わせ対応を代行します。AIが単独で顧客へ返信することはありません。

料金は、問い合わせ件数・チャネル・対応時間帯に応じて個別にお見積もりします。現時点では公開しておりませんので、詳しくはお問い合わせください。

AIで一次対応を高速化しつつ人がレビューするため、内製で採用・教育・シフト管理にかける固定費を持たずに、対応の品質を保ちながら件数の増減に合わせられます。

まとめ

カスタマーサポートを外注すべきかは、外注費用(月額固定10〜50万円、従量1件100円〜、初期20〜50万円)だけで決まりません。比べる相手は内製の総コストで、内製には採用費・教育期間の先行人件費・シフト管理の工数・離職リスクという、月給に表れない費用が乗ります。件数の変動が大きい、時間帯が広い、担当が属人化している、立ち上げ期で件数が読めない、といった条件では外注が総コストで有利になりやすく、件数が少なく安定していれば内製が有利なこともあります。自社の件数・対応時間帯・体制の3点を内製コストに当てはめて比較してください(本記事の相場は調査時点: 2026年7月)。