AI顧問の料金は、「月額顧問型で月10万〜80万円」 が中心の目安です(調査時点: 2026年7月)。月1回の定例相談に絞ったライトプランなら月5万円前後から始められます。ただし、同じ「月10万円」でも中身は大きく違います。定例MTGだけの月10万円と、業務の棚卸し・AI活用診断・社内研修・導入伴走まで含む月10万円では、受け取れる支援がまったく別物だからです。
つまりAI顧問の料金は、月額の数字だけを見ても比較になりません。**「その月額に何が含まれ、何が別料金か」**を分解して初めて、高いか安いかを判断できます。以下で料金を左右する要素、顧問料と研修・実装費の切り分け方、見積もりの読み方の順に整理します。
AI顧問の料金レンジ(目安)
支援の型ごとに、おおよその料金レンジを整理すると次のようになります(調査時点: 2026年7月、各社LPの公開情報をもとにした概算)。
| 支援の型 | 料金の目安 | 向くケース |
|---|---|---|
| スポット相談 | 1回 数万円〜20万円前後 | テーマが1〜2件・単発の壁打ちで足りる |
| ライト顧問(定例相談中心) | 月5万〜10万円前後 | 月1回の定例で方向性を相談したい |
| 月額顧問(標準) | 月10万〜50万円前後 | 複数部署で継続的に伴走してほしい |
| 導入伴走・研修込みの手厚い顧問 | 月50万〜80万円前後(+研修別途) | 棚卸しから実装・定着までまとめて任せたい |
ライトプランの具体例として、AidiaのAI顧問サービスは月額5万円(税抜)からとしており、月1回1時間の定例ミーティング(方向性の確認・現場課題の整理・最新AI情報の共有・アクションプランの整理)が含まれます(Aidia)。中小企業のAI導入・DXの相談窓口としては、公的機関のJ-Net21(中小企業基盤整備機構)のような無料の相談先もあり、まず何に困っているかを整理する段階では併用も検討できます(J-Net21)。
顧問料に「含まれるもの」で価格が変わる
AI顧問の月額が幅を持つのは、契約に含まれる作業の種類が違うからです。同じ「顧問」という名前でも、実際に手を動かす範囲は次のように分かれます。
- 定例MTG: 月1回程度、方向性の確認や課題整理を行う。ほぼすべての顧問に含まれます。
- 随時相談(Slack等): 定例の間の質問にチャットで答える。含む契約と、定例のみの契約があります。
- 業務の棚卸し: どの業務がAIで置き換えられるかを洗い出す。初回に工数がかかるため、含む・別料金が分かれます。
- AI活用診断: 棚卸しをもとに、優先順位と効果の見込みを整理する。
- 社内研修: 従業員向けのハンズオン。準備と実施に工数がかかり、別料金にしているサービスが多い領域です。
- 導入伴走: 実際のツール設定や運用の立ち上げに同席する。もっとも工数が重く、月額を押し上げます。
- ツール選定支援: 業務に合うツールを比較・選定する。
月額が安いプランは、多くが「定例MTG+随時相談」までで、棚卸し・研修・導入伴走は含まないか別料金です。逆に月額が高いプランは、これらの手を動かす作業が月額の中に組み込まれています。顧問料の高さは、相談の回数ではなく「どこまで一緒に手を動かすか」で決まると考えるとわかりやすいです。
見積もりの読み方:月額単体で比べない
複数のAI顧問を比較するとき、月額の数字だけを並べると判断を誤ります。確認すべきは次の3点です。
- 顧問料の範囲: その月額でどの作業まで含まれるか(定例のみか、棚卸し・研修・伴走まで含むか)。
- 別料金の範囲: 研修・実装・ツール導入がいくらで、どのタイミングで発生するか。
- 成果物: 診断レポート・研修資料・実装した仕組みなど、契約後に手元に残るものは何か。
たとえば「月8万円」の顧問と「月20万円」の顧問があったとき、前者が定例のみで研修・実装が都度別料金、後者が棚卸しから導入伴走まで込み、という構成はよくあります。この場合、実装まで進めたい会社にとっては、別料金が積み上がる前者のほうが総額で高くなることもあります。「月額が安い=総額が安い」ではないため、支援範囲を含めた総額で比べてください。
AI顧問がPoC止まりで終わらないために
料金以前の注意点として、AI顧問を入れても「診断と研修で終わり、現場にツールが定着しない」というケースがあります。要因は、相談(定例MTG)と、実際に業務へ組み込む工程(導入伴走)が切れているためです。研修で使い方を教わっても、自社の業務に合わせて実装し、運用として回すところまで伴走がないと、日常業務には残りません。
料金を比較するときは、この「実装・定着まで面倒を見る工程が料金に含まれているか」を確認すると、PoC止まりを避けやすくなります。実際にAIを日々の業務へ組み込んだ運用の一例は、メール当番をAIに引き継いだ話で具体的な分業設計を公開しています。
当社のAI顧問の料金(比較の透明性のために公開)
比較検討の材料として、当社(株式会社wren)が提供する自走支援のAI顧問の実価格も公開します。当社のAI顧問は、業務の棚卸し → AI活用診断 → 社内研修 → 導入伴走を一気通貫で行う構成で、ツールを入れて終わりにせず、社内で運用が回る状態まで支援することを前提にしています。
- 社内研修: 60万円
- 顧問(研修後の継続支援): 月12万円〜
まず研修で全社のAI活用の土台を作り、その後は月額顧問で業務への組み込みと定着を伴走する、という組み立てです。研修と顧問を分けて提示しているのは、「どこまで一緒に手を動かすか」を会社の状況に合わせて選べるようにするためです。支援範囲や進め方の詳細はAI顧問のページで案内しています。
まとめ
AI顧問の料金は月10万〜80万円が中心、定例相談中心のライトプランは月5万円前後から、というのが目安です(調査時点: 2026年7月)。ただし重要なのは月額の数字そのものではなく、その月額に何が含まれ、研修・実装が別料金でいくら積み上がるかです。まず「何を任せたいか(相談だけか、実装・定着まで伴走してほしいか)」を決め、支援範囲を含めた総額で比較するのが、失敗しにくい選び方です。